仕入れにしろ、販売にしろ、営業成績のいいチームと悪いチームというのが存在します。
同じような能力の社員を集めてチームを作っているのに、なぜか営業成績が違う。その原因さえわかれば、売上を大きく改善できるのですが、これがなかなか難しい。
そこで参考にして欲しいのがグーグルの調査結果。あの世界的優良企業グーグルも私たちと同じような悩みを抱え、その改善策を模索していたのです。
2012年、グーグルは生産性向上計画というものを開始しました。
担当は人員分析部という部署が行い、社員5万1000人の中からチーム・リーダークラスの有志を募り最終的な検証を行ったそうです。
グーグル社内には数百のチームが存在しており、生産性の高いチームがある一方で、生産性の低いチームもあったといいます。あのグーグルですから、社員個人の能力が低かったり、知能が低いということはありません。社員の能力は十分なのに配属されるチームによって生産性が違うのです。
そこで、グーグルはお得意のデータ分析技術を使って、ありとあらゆるデータを分析しました。組織心理学や社会学といった専門家も分析チームに加えて行ったそうです。それでも、分析結果を見つけるのには相当苦労したそうです。なぜなら、なかなか共通点が見当たらないからです。
会社の外でも付き合いのある友達同士のようなフレンドリーなチームが生産性の高い場合もあれば、ビジネスライクな関係で会社以外では一切話さないようなチームが生産性の高い場合もあったそうです。
トップダウンのチームが上手くいっている場合もあれば、水平型のフラットな関係性のチームが上手くいっている場合もあったそうです。
要するに、巷で語られているような組織論がどれも当てはまる状況。裏を返せば、そんな組織論のどれもが当てはまらないということです。
つまり、フレンドリーだったり、ビジネスライクだったり、トップダウンだったり、フラットだったり、どのパターンであっても生産性の低い組織があったということです。
しかし、そこは超優秀なグーグル。最後に見つけました。成果を出すチームの唯一の共通点を。
それが「サイコロジカル・セーフティ」。「心理的安全性」です。
日本風にわかりやすく言うと「思いやり」。他者への心遣いや同情、配慮、共感といったメンタルな要素が生産性の向上にはとても重要だったのです。
例えば、誰か1人がしゃべり続けていて、チームメイトが黙り込んでいるようなチームは生産性が悪く、みんなが均等に発言するようなチームは生産性がいいそうです。
心理的安全性が確保されていて、自分がどんな発言をしても大丈夫だという環境が重要だということ。チームメンバーからどう思われるのか不安な状態のままだと、パフォーマンスが十分発揮できなくなるということです。
だとすれば、私たちがやらなければならないことは自由に発言できる組織をつくること。スタッフの心理的な安全性が確保できる組織環境をつくることです。お試しください。
この記事へのコメントはありません。