不動産マーケティング

売れる不動産会社と売れない不動産会社の違い。

よくある建売業者さんからの相談のひとつに、レインズに掲載しているのに売れない、アットホームに流しているのに売れない、SUUMOに掲載しているのに売れないというものがあります。色んな媒体に物件情報を掲載しているのに売れない、だからお手上げだ、というものです。

気持ちはわかります。
積極的に情報を開示しているのに売れないのは辛いもの。何もしていない業者さんと比べると努力の跡があるだけに、気の毒な感じもします。

しかし、努力はこれから。
この程度で売れるなら建売業界は苦労しません。実際には、今まではこの程度で十分売れてきましたから苦労が足りなかっただけです。この状態になると、たいていの建売業者さんは売れない原因を物件のせいにします。

場所が悪いから、価格が高いから、商品企画が悪いから、云々。もちろん、そんな理由もあるでしょう。しかし、売れない理由を商品のせいにしてもはじまりません。何しろ、そんな商品を作ったのはあなたなのですから。

では、どうしたらいいのか?
それは商品以外に問題がないかを考えることです。

私の知り合いに寝具を売っている人がいます。全国展開をしている寝具の小売店で、百貨店やららぽーと、ショッピングセンターなどに出店しているお店です。

どこも同じ商品、同じ品揃えで営業しているのですが、売れる店、売れない店、売れるスタッフ、売れないスタッフがあります。同じ商品、同じ品揃え、同じ雰囲気の店舗にかかわらず売上が違うのは、商品のせいではない、ということ。それ以外に原因があるということです。

実際、トップクラスのお店は決して立地条件のいい場所にあるお店ではありません。つまり、指導者の考え方の違いが売上に現れているということ。意図的に売上がつくられているということです。

では、何が他のお店と違うのか?

それは、商品をお客様に積極的に薦めていることです。ナンバーワンのお店で店長からスタッフに言われることは、来店したお客様全員に商品を紹介してください、というものです。

買うか買わないかはお客様の判断。
だから売れなくてもあなたのせいではありません。と教えられます。

しかし、薦めないのはあなたの怠慢です。だから、売れるか売れないかにかかわらず、来店したお客様すべてにお店の商品を薦めるというのがこのお店の「掟」です。そのため、スタッフの仕事は明確になります。

来店したお客様がどんな人であれ、お金を持っていようがいまいが、年齢が若かろうが、年寄りであろうが関係なく商品の良さだけを伝える。それの繰り返しです。

結果として、通常では買わないような人が購入していく。他店では購入しないと思われているような人がこのお店では購入していくようになるのです。

大切なことは、商品の良さを積極的に薦めているかどうか。ただ単に、商品を並べておいても売れないということです。レインズやアットホームもしかり。ただ単に情報を掲載していても、それはお店に商品を置いているだけ。それでは売れません。売るためには見込み客に商品を積極的に紹介すること。これが必要です。

あなたの物件は積極的に紹介されていますか?どんな人気店でも、商品を並べておくだけでは売れません。そこのところくれぐれもお間違えなく。

 

 

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