以前お会いしたある新築分譲会社の社長の話。
その新築分譲会社は小さな地方都市にあります。人口10万〜25万人程度の街に、現在5つの店舗を持っているそうです。経営はきわめて順調。安定して売上げを上げているそうです。もともとは、下請け大工のこの社長。最初は、かなり苦戦したといいます。
もうダメか・・・と諦めかけた時にあるコンサルタントと出会い、今までの自己流を反省。そのコンサルタントのアドバイスを着実に実行していくうちに、徐々に売上げも伸び、現在に至っているそうです。その会社の住宅を見てみましたが建物の仕様や外観はごく一般的なモノ。お世辞にも、建物で差別化しているとは言えません。では、どうして小さな新築分譲会社が成功できたのか?ということですが、大きな要因に、ポジショニングが上げられます。
ポジショニングとは、簡単にいえば、どこで勝負するか、という土俵のこと。新築分譲会社なら、ローコスト住宅や高級住宅、デザイナーズ住宅もあれば健康住宅もあります。その見極めと徹底が成功の要因でしょう、とその社長はおっしゃっていました。
勝負するエリアの他社のウリを徹底的に検証し、勝てるか勝てないかを判断する。勝てそうでなければその分野では勝負しない。理想としては、ガラ空きの分野。その地方都市でライバルがいない分野を攻めて勝つという、弱者の地域一番店戦略を確実に実施したそうです。
もちろん、まったく他社が手を付けていない分野なんてありません。どこもそれなりに、手あかのついた分野ばかり。しかし、弱そうなところはあります。その弱そうな分野を、徹底的に攻めれば後発の新築分譲会社でも活路は見いだせる、そう信じてやってきたそうです。
興味深かったのは、その徹底ぶり。
勝負する分野によってクルマや従業員の服も変えているというのです。パワービルダーが分譲するようなローコスト住宅を売る店舗の場合は、利用するクルマはプリウス。社員の服装は、作業着にネクタイまたは一般的なスーツ。それに対して、デザイナーズ住宅を売る店舗の場合は、利用するクルマはレクサス。社員の服は、ジャケットにシャツ。ネクタイは着用しない。というように客層に合わせて分けているところ。店の雰囲気も全く違います。来店するお客様が好む店舗やクルマ、社員の服装で、売る商品と会社や社員のイメージを合わせ、安心感を与えているのです。
もちろん、そこまでしなくてもある程度は売れます。
しかし、そこまでするからこそ、その分野で一番になれたとも言えます。お客様の取りこぼしがないからです。きっとライバルはそこまで徹底していないでしょう。「そんなこと」とその事実を聞いてもバカにするかも知れません。しかし、事実は事実。つまらないことかもしれませんが、そんなつまらないことが大きな成果を生み出すのです。
実際、売っている物件と会社のイメージ、社員のイメージが合わない会社はたくさんあります。もしあなたの会社の売上げが伸び悩んでいるとしたら、それはイメージに一貫性がないからかもしれません。
あなたの会社のイメージはどうですか?
物件のイメージと統一できていますか?
イメージを統一するだけで取りこぼすお客様は激減します。これは事実です。一生懸命やっているのに売上げが伸びない・・・そんな時は、会社のイメージを統一することが必要かもしれません。物件、会社、社員、この3つのイメージが統一されたとき、売上げはもっと簡単に上がります。お試しください。
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