建売住宅が売れない理由

不動産マーケティング

建売住宅、なぜ今までの売り方が通用しないのか?

建売業界の抱える問題のひとつに時流が読めていないという問題があります。時流が読めていないというのは、商品のライフサイクルがわかっていないということ。建売住宅が今、どんなライフサイクルの位置にいるのか、わかっていないということです。そのため、ライフサイクルに合った商品づくり、売り方ができていない。

結果として、
今までの売り方が通用しない・・・
どうしたらいいのかわからない・・・
という状況になってしまうのです。

商品にはライフサイクルがあります。ライフサイクルは主に5つ。導入期、成長期、ピーク期、衰退期、安定期の5つ。そしてそれぞれの時期によって売れる商品も、売り方も違います。

簡単に説明しましょう。

導入期というのは、商品の普及率がまだまだ低い時期です。建売住宅というのが市場に出た頃で、建売住宅という商品を見るのも初めてという頃です。そのため、お客様に価格の基準や価値の基準がないので、いいイメージを与えることがポイントになってきます。

次が成長期。商品が普及してくると急に売れ出す時期が来ます。これが成長期。この時期はお客様の中に価格の基準ができてくるので、どこよりも安くすることで大量に売ることができます。特に成長期の後半は、物件さえあれば売れるという時期なので仕入れが勝負。在庫さえ切らさなければドンドン売上が上がる夢のような時期です。

そして商品の普及がピークになると訪れるのが、ピーク期。成長率が止まる時期です。この時期は、お客様の目が肥えてきて価格に対する価値で選ぶようになってきます。つまり、売れる物件と売れない物件がはっきりしてくる時期です。ここでしなければいけないのが予算帯の物件を比較して、より価値の高い物件をつくること。それができれば勝ち組に残ることができます。

ピーク時が終わると迎えるのは、衰退期。ただ単に建売住宅をつくっても売れない時期です。この時期にしなければならないことは、買って欲しい客層を定めること。そして客層に合った商品をつくることです。30代の子育て世代を対象にするのか、50代のお金持ちを対象にするのかによって、商品は違います。誰を対象にした建売住宅をつくるのかを明確にすることが売れる建売住宅がつくれます。

そして次に訪れるのが安定期です。安定期になるとマーケットが下げ止まり売上が安定してきます。大きく伸びることはありませんが、ある一定のマーケットは確保できます。この時期に取り組むべきことは、お客様に合わせた商品をつくることではなく、お客様から共感されるような商品をつくることです。

いわゆる、共感マーケティング。建売住宅を通じてライフスタイルを提案することです。健康と環境を重視した家であればロハスというライフスタイルを提供することで売れる商品をつくることができます。お客様は商品の価値を気に入って買うのではなく、商品を通して提供されるライフスタイルに共感して商品を買うのです。

このように同じ建売住宅を売っていても建売住宅のライフサイクルがどこにあるかによって、売るべき商品も、売り方も大きく違ってきます。大切なのは、今の建売業界はライフサイクルのどこにいるのかを知ること。そして、その時期にどんな商品をつくりどんな方法で売るべきなのかを知ることです。

これ、かなり重要です。

 

 

ピックアップ記事

  1. 不動産会社経営、あなたは間違った社員管理をしていませんか?
  2. 共感の得られる家、共感の得られない家。
  3. 成約率を上げたいなら即実践!購買意欲が高まる雑貨の使い方。
  4. 難しい専門用語を使えば使うほど売上は落ちる!
  5. 長期的に成功する不動産会社になるために経営者がすべきこと。

関連記事

  1. 建売住宅販売はモノから人の時代へ。

    不動産マーケティング

    建売住宅販売はモノからヒトの時代へ。

    建売業界が抱える問題のひとつに、「お客様の声を聞かない」ということがあ…

  2. 不動産売却、安売りと安さ感の違いとは?

    不動産マーケティング

    不動産売却、安売りと安さ感の違いとは?

    値下げしても売れない・・・そんな物件が増えてきました。今後の不動産市況…

  3. 「何であんな物件が売れるんだ…」と思ってしまう真面目な建売業者さんへ。

    不動産マーケティング

    「何であんな物件が売れるんだ…」と嘆く真面目な建売業者さんへ。

    「何であんな物件が売れるんだ!」「俺なら絶対買わないけど・・・」 …

  4. 本当の理由

    不動産マーケティング

    知らないでは済まされない!あなたの物件が売れた本当の理由。

    以前から気になっていた建売住宅が完売しました。そこそこの激選区に登場し…

  5. これだけで不動産の成約率は上がる!現地案内の準備術。

    不動産マーケティング

    これだけで不動産の成約率は上がる!現地案内の準備術。

    不動産の営業経験がある建売業者さんならわかると思いますが、お客様を案内…

  6. 売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    不動産マーケティング

    売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    高く売るにはどうしたらいいか? 高く貸すにはどうしたらいいか?…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 長期的に儲かる建売会社をつくるために経営者がすべきこと。
  2. あなたの知らない建売業界の不都合な未来。
  3. 社長が忙しすぎる不動産会社がダメな理由。
  4. 新築住宅販売は通販会社に学べ!
  5. 営業マンのいないオープンハウス。
  1. 新築住宅販売、売上アップの肝は流通網。

    不動産マーケティング

    新築住宅販売、売上アップの肝は流通網。
  2. 儲かる建売会社へ体質改善しませんか?

    不動産マーケティング

    儲かる建売会社へ体質改善しませんか?
  3. 不動産会社が陥る、成功体験の罠。

    不動産会社経営

    不動産会社が陥る、成功体験の罠。
  4. 不動産広告、この一言で売上が伸びる!

    不動産広告

    不動産広告、このひと言で売上が伸びる!?
  5. 不動産広告は、目立ってなんぼ。

    不動産マーケティング

    不動産広告は、目立ってなんぼ。
PAGE TOP