建売住宅が売れるかどうか、いや、モノが売れるかどうかは次の3つの要素に掛かっています。
それは、誰に、何を、どのように売るかの3つ。
誰には、ターゲット。あなたがその建売住宅を売りたい人。そして、何をは、商品。あなたがどんな建売住宅を提供するのか。最後の、どのようには販売方法。あなたがつくった建売住宅をどのようなメディア、販売ルートで売るか。この3つが上手く噛み合った時、あなたの建売住宅は値引きしないで即日完売できます。
ポイントは、3つの要素がどれも重要だということ。どれかひとつでも欠けるとその効果は半減、場合によっってはゼロになってしまいます。
以前、こんなことがありました。ある建売業者さんの1棟現場。
土地の面積は40㎡台の狭小地。3階建てを建てても65㎡がやっとという物件です。参考プランを見てみると、3LDK。リビングこそ10帖以上あるものの、他の部屋は4.5帖ばかりという無理やりつくった3LDK。3階などは、斜線制限も加わって快適とは程遠い部屋になっていました。
この建売業者さんはターゲットを、4人家族ととらえていたからです。確かに、戸建てを購入するのはファミリー層が多いのは事実。しかし、建物面積65㎡の一戸建てでターゲットとするファミリー層が満足できるかどうかは別。確率としては決して高くないでしょう。
では、65㎡の一戸建てで満足できる人はどんな人でしょう?
考えられるのは、小家族。具体的にはシングルまたは2人家族。ただ、建物が3階建てなので高齢者の一人暮らし、2人家族は考えづらい。どちらかといえば比較的若い世代の人になるでしょう。そうなると問題は間取り。果たして3LDKが必要かどうかということです。
普通で考えれば、1人〜2人世帯なら1LDKか2LDKが適切な間取り。
3LDKからひと部屋減らすだけで吹き抜けができたり、大きな寝室が生まれたりと同じ敷地でもずいぶん魅力的な間取りに生まれ変わります。
で、この業者さんどうしたかというと、プランは最終的には変えませんでした。3LDKのまま販売。
結果は、というと予想通り?大苦戦。売れたのは完成してから7ヶ月後。大幅値引きを繰り返しての赤字販売でした。ちなみに購入者は、近所に住む30代半ばのご夫婦。子どもをつくる予定がないのでこの広さでも十分とのことで購入を決めたそうです。
多くの建売業者さんは物件の特性によってターゲットを変えるという作業をしていません。どんな現場でもターゲットは同じ。いつもファミリー層をターゲットにして同じような建物を建てる。その結果、売れる可能性を自らつぶしているのです。
あなたは、適切なターゲットを選んでいますか?
適切なターゲットに、適切な建物を、適切な販売方法で、提供すること。
これこそが即日完売の公式ですよ。
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