あなたの知らないオープンハウスの現実。

不動産会社経営

あなたの知らないオープンハウスの現実。

あなたはオープンハウスに行きますか?
私は仕事柄オープンハウスにはよく行きます。クライアントさんの現場をはじめ、最近売れているという建売業者さんの現場など、オープンハウスを利用して見学しています。正直、他社のオープンハウスほど勉強になる場所はありません。建物の仕様はもちろん、営業マンのレベルから売り方までわかるのですから行かない手はありません。

先日も、あるオープンハウスに行ってきました。私のクライアントの物件だったのですがある大手FCチェーンがオープンハウスをしていたので様子を見てきました。当日は3連休の2日目。現地はオープンハウスの看板とのぼりが1本という少し地味目のオープンハウス。付近には誘導看板もほとんどありませんでした。

玄関を開けて「こんにちは」と言っても反応なし。玄関には色の違う祖末なスリッパが2つと担当者らしき人の靴が1足。誰かいるはずなのに応答はありません。仕方ないのでそのまま見学。1階を見て、リビングのある2階に行くと、そこにはオープンハウスの担当者がいました。担当者といっても普段着の女性。見るからにアルバイトかパートという女性です。

私が現れると、慌てて「いらっしゃいませ」。簡易机に向かって何か書いているところでした。「すみません、ちょっと見せてもらっていいですか?」というと、笑顔で「どうぞ」。室内を軽く見て、「ありがとうございました」というと「すみません、アンケートにご協力いただけますか?」の常套句。「いや、まだ考え始めたばかりなので・・・」というと「わかりました。また、お願いします」と言ってあっさり引き下がりました。

あっさりしているのは悪いことではありませんが、私が見学中も、資料のひとつも渡されません。それが会社の方針なのかどうかわかりませんが、明らかに準備不足。お客様にその物件の良さを理解してもらうという努力が足りません。

そもそもオープンハウスで何をしたいのかという目的意識が欠けています。集客をしたいのか、お客様に物件の良さを理解させたいのか、どちらも中途半端。中途半端というより未熟。仲介業者のレベルがわかります。連休だから、できる現場はオープンハウスでもやっておけ!何もしないで会社にいるよりはマシ、という感じです。

実際、そんなオープンハウスは少なくありません。いや、むしろそんなオープンハウスばかり。今回も、この女性が悪いのではなく正しいオープンハウスのやり方を教えていない仲介会社が悪いのです。一番問題だと思ったのは、この女性だと専門的な質問には答えられないだろうな、ということです。建物のこと、地域のこと、住宅ローンについてや、契約までの流れなど、気に入ったお客様を一気に買う気にさせるスキルが不足しているということです。

もちろんパートの女性ですからそこまでのスキルがないのも当然。であれば、気に入ったお客様が質問してくるであろう質問の回答を事前に準備しておくことが大切、それが仲介業者の役目です。よくある質問としてお客様に渡せるように紙にまとめておくとかボードやPOPにしてオープンハウス会場に置いておくとか、いろいろ方法はあります。そうしないと、せっかく来場したお客様を買う気にはさせられません。

ただ、ジプシーのようにあちこちの物件をオープンハウスしているような仲介業者にそこまでを期待するのはムリ。彼らに正しいオープンハウスを期待してもできません。では、誰がやるのか?ということですがそれは、売主であるあなたです。どんな仲介業者がやっても合格点を付けられるようなオープンハウスを準備すること。それが売主のやるべきことです。建物のこと、地域のこと、契約の流れなど、詳細を一番良く知っているのは売主。その物件の魅力を余すところなくボードやPOPにしてお客様に伝えるように準備しておくことです。そうすればパートの女性でもできる営業マンに変身させられます。

オープンハウスは貴重な営業チャンス。
チャンスを逃さないよう売主としての準備は完璧にしておきましょう。仲介業者に期待してはダメですよ。

 

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