新築住宅分譲、こうすれば条件の悪い区画も値下げしないで売れる!

不動産マーケティング

新築住宅分譲、こうすれば条件の悪い区画も値下げしないで売れる!

うちの近くに輸入中古車を販売するショップがあります。
輸入中古車といってもベンツ専門店。新型のベンツというより5〜8年落ちの少し古めのベンツが中心という品揃えです。売れているお店なのですが実は、ここの価格設定が絶妙。建売住宅の価格設定にも応用できるのでぜひ参考にして欲しいと思います。

まず、ベンツ専門店ですから競合が自社のクルマになります。5〜8年落ちのベンツといえば外見はどれも同じ(ように見えます)。違うのは、装備と走行距離ぐらい。価格差は、年式と装備、走行距離で決まってしまいます。当然、年式が新しく、走行距離が少ないクルマの方が高く売れるわけですが、その分、仕入れ価格も高くなります。

利益をたくさん出すためには年式が古く、走行距離が多めのクルマを安く仕入れるしか方法はありません。しかし、そのままの状態では年式が古く、走行距離が多いクルマはなかなか売れません。そこでこのカーショップはどうしたか?彼らは、条件のいいクルマと条件の悪いクルマで価格と装備に差を付けたのです。

条件のいいクルマ、すなわち年式が新しく、走行距離の少ないクルマは仕入れたままの状態でそのまま販売します。それに対して、条件の悪いクルマ、年式が古く、走行距離の多いクルマはエアロパーツやホイールを追加して販売しています。具体的にいうと2007年式のSL500が走行距離18,000kmで、297万円。2006年式のSL500がAMGスポーツパッケージ仕様走行距離66,000kmで、277万円。スペックだけ見ると2007年式のSL500なのですが、現物を見ると2006年式のSL500の方がはるかにカッコイイ。その上、価格も安いので走行距離はガマンできそうな気になります。こうやって条件の悪いクルマの方から先に売っていくのです。

これはそのまま建売住宅の価格設定にも応用できます。
建売住宅でよくある間違いは、条件のいい区画と条件の悪い区画の建物を全く同じ仕様でつくること。そのため、自社の商品が競合となって条件の悪い区画が売れ残ってしまうことです。最終的には、値下げで対応するしかなくなり利益が大幅に減少。そんな現場がよくあります。

ではどうすればいいのか?

条件の悪い区画ほどいい建物を建てるということです。そもそも条件の悪い区画といい区画で建物の仕様を同じにすることが間違い。できることなら条件の悪い区画ほど豪華な仕様にして条件のいい区画と同じ価格設定にすることです。そうして、お客様に迷わせる。場合によっては、条件のいい区画の仕様を落としてでも、条件の悪い区画の仕様を上げた方がいいかもしれません。条件の悪い区画は値段で勝負というのは昔の話。最近のお客様はいくら安くても条件の悪い区画は買いません。

大切なのはコントラスト。
条件は悪いけど、こんな家なら住んでみたいと思わせられる何かがあるかどうか。
ギャップを付けられれば付けられるほどお客様を魅了できます。そこのところお間違えなく。

 

ピックアップ記事

  1. 不動産売却の成約率を上げる3つの要素とは?
  2. 不動産売却、成功する値下げのための3原則。
  3. 不動産売却、安売りと安さ感の違いとは?
  4. 昔の常識に惑わされていませんか?
  5. 不動産が売れない時、仲介手数料手数料6%出しは是か非か?

関連記事

  1. 売れる新築住宅をつくるための意外な質問とは?

    不動産マーケティング

    売れる新築住宅をつくるための意外な質問とは?

    コンサルティングをしていて一番多い質問は、「どうしたら売れるようになり…

  2. 成約率を上げる!商談スペース・モデルハウスの必需品とは?

    不動産マーケティング

    これだけで成約率が上がる!商談スペースの意外な必需品とは?

    販売にはいろんなテクニックがあります。小手先のテクニックではありますが…

  3. 不動産マーケティング

    有名建築家の作品なら高くても売れる!?

    先日、クライアントさんのお誘いで埼玉県の、とある建売住宅を見学に行きま…

  4. 残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    不動産マーケティング

    残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    売れ行きの悪い物件を抱えた多くの建売業者さんや不動産会社が犯すミスがあ…

  5. えっ本当?売れる物件を作りたいならお客様の声を聞いてはいけない。

    不動産マーケティング

    えっ本当?売れる物件を作りたいならお客様の声を聞いてはいけない。

    売れる商品や売れるサービスを考えるとき、まず最初に言われるのが「お客様…

  6. 売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。

    不動産マーケティング

    売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。

    手前味噌で恐縮ですが、私が他のコンサルタントと違うのは、不動産営業を知…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. なぜ物件によって売れる販売方法が違うのか?
  2. 成功事例に学べ!売れない商品が爆売れした意外な理由。
  3. 仲介業者に洗脳されていませんか?
  4. これからは建売会社もソフトの時代。
  5. 大手不動産会社と中小建売会社の戦略の違い。
  1. 建売業者も営業力の時代。

    不動産マーケティング

    建売業者も営業力の時代。
  2. これからの不動産営業は売り込むほど売れなくなる。

    不動産マーケティング

    これからの不動産営業は売り込むほど売れなくなる。
  3. 建売用地、高値買いできる建売会社になるために必要なこと。

    不動産会社経営

    建売用地、高値買いできる建売会社になるために必要なこと。
  4. なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?

    不動産会社経営

    なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?
  5. いい商品なのに苦戦する意外な理由とは?

    不動産マーケティング

    いい商品なのに苦戦する意外な理由とは?
PAGE TOP