不動産売却、成功する値下げのための3原則。

不動産マーケティング

不動産売却、成功する値下げのための3原則。

自社で販売部隊を持たない建売業者にとって唯一の武器は値下げ。
多くの建売業者が、細かな値下げを繰り返して完売を目指します。そんな建売業者にとっての唯一の武器である値下げですが、成功する値下げと失敗する値下げがあります。

今回はその違いについてご説明しましょう。成功する値下げと失敗する値下げ。
その違いは次の3つの原則に基づいて値下げしているかどうかです。

3つの原則を簡単に説明すると、

原則その1 値下げする前に広告(告知)を十分行うこと。

これは、最も重要で最も行われていないこと。まずはターゲットとするエリア、お客様に向けて値下げ前の価格が十分告知されていることが重要です。値下げ前の価格を知らないお客様に値下げ後の価格で勝負しても、それは単なる新しい価格の物件。値下げの魅力は伝わりません。たいていの建売業者さんは、これくらいの期間売り出していたのだから、お客様はみんなこの価格で売り出されていることは知っていると思い込んでいます。しかし、それは大きな誤り。販売期間とお客様の認識は比例しません。

どこにどれだけの広告がされたのか。今まで何人のお客様に紹介されてきたのか。どれだけの不動産業者があなたの物件を知っているのか、など客観的な数字で判断すべきです。そして広告(告知)が十分されているにも関わらず売れないという場合にはじめて値下げに踏み切るのです。

原則その2 値下げする前に物件の価値を上げておくこと。

例えば、4,000万円の物件を200万円値下げして3,800万円で売る場合、事前に4,000万円の物件を4,000万円以上の価値があるように認識させておくと値下げの価値は200万円以上になります。つまり、実際の値下げ額をより効果的に見せるには、値下げ前に物件の価値を最大限まで上げておくということです。

値下げ前の物件の価値を上げるとは、4,000万円の物件でも4,000万円以上の価値があるように思わせること。4,000万円でも十分価値があるのに3,800万円に値下げされたとなるとお客様の財布は開きやすくなります。具体的には、販売図面やチラシ、HP、その他の広告でその物件の魅力をしっかり伝えることです。

その物件を購入するとどのようにあなたの生活が変わるのか、それはあなたや家族にどんなメリットがあるのか、をしっかり伝えることです。そのメリットがお客様の心の琴線にふれることができれば、価値アップは成功。この物件なら4,000万円でも安いな・・・と思ってもらえるようにしておくことが重要です。

原則その3 値下げの理由を伝えること。

お客様は安物が欲しいわけではありません。いい物件を安く買いたいと思っているだけです。
つまり、いい物件が安く買える理由がわかれば買いたいという欲求は一気に高まります。大切なのは、納得できる理由。決算が近いので・・・、建物にお金を掛けすぎました・・・など正直な理由、人間臭い理由を伝えるとより説得力が増します。家は高い買い物です。欲しいと思っていてもきっかけがないとなかなか手が出せないというお客様もいます。そんな人には、納得できる値下げの理由は背中を押す大きなチカラになります。

値下げは、売主にとっては負けです。できるかぎり値下げしないで売れるよう戦略を考えるべきです。そうはいっても、どうしても値下げしなければならないことも現実にはあります。そんな時はこの3つの原則に基づいて値下げしてください。必ず成功しますよ。

 

ピックアップ記事

  1. あなたならどうする?用地仕入れの失敗を挽回する方法。
  2. あなたの提供する不動産情報はお客様が望む不動産情報ですか?
  3. モノづくりだけじゃダメ!これから売れる建売会社は集客が命。
  4. 100人中1人しか実行しない、100%効果がある売上を伸ばす秘訣。
  5. 不動産業界で価格競争から無縁の営業マンになる方法。

関連記事

  1. 購買心理で考える、売れるオープンハウスの開き方。

    不動産売却

    購買心理で考える、売れるオープンハウスの開き方。

    お客様の購買心理というのは不思議なもの。 全然買う気がなかったのに…

  2. 中小建売業者が価格競争から抜け出すためのアイデアの見つけ方。

    不動産マーケティング

    中小建売業者が価格競争から抜け出すためのアイデアの見つけ方。

    価格競争から抜け出すためにどうしたらいいか? その答えを見つけるに…

  3. 残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    不動産マーケティング

    残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    売れ行きの悪い物件を抱えた多くの建売業者さんや不動産会社が犯すミスがあ…

  4. 売れるかどうかは物件以外の要素で決まる!

    不動産マーケティング

    売れるかどうかは物件以外の要素で決まる!

    婚活がブームです。テレビなどでも婚活をテーマにした番組がたくさんありま…

  5. あなたならどうする?用地仕入れの失敗を挽回する方法。

    不動産マーケティング

    あなたならどうする?用地仕入れの失敗を挽回する方法。

    以前、相談を受けた物件の話。ご相談者にいらしたのは、建売会社の営業部長…

  6. 不動産売却はインターネットに頼ってはいけない!

    不動産マーケティング

    不動産売却はインターネットに頼ってはいけない!

    先日、あるインターネット関連の会社から電話がありました。内容は、インタ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 不動産経営者必読!正しい社員の叱り方。
  2. 新築一戸建てを売る会社は「ゴミの日の法則」に学べ!
  3. 物語が売上を伸ばす時代。
  4. 不動産ビジネスを最短距離で成功させるには何が必要か?
  5. いつまでワンマン経営を続けますか?
  1. 難しい専門用語が売上を落とす!

    不動産マーケティング

    難しい専門用語を使えば使うほど売上は落ちる!
  2. 相場より900万円高い土地の売り方。

    不動産マーケティング

    相場より900万円高い土地の売却、あなたならどうする?
  3. 不動産営業は、説得から体感の時代へ。

    不動産売却

    不動産営業は、説得から体感の時代へ。
  4. あなたの建売住宅が売れない意外な理由。

    不動産会社経営

    あなたの建売住宅が売れない意外な理由。
  5. 不動産チラシ、「価格は大きく目立つように」は正しいのか?

    不動産広告

    不動産チラシ、「価格は大きく目立つように」は正しいのか?
PAGE TOP