いい家を作っている建売業者さんがあります。社長以下、スタッフの皆さんも真摯に家づくりに取り組んでおり、素敵な家を作っています。そんな建売業者さんですが、すべての物件が順調に売れているわけではありません。正直、売れる現場もあれば、売れない現場もあります。
その違いは何か?
ということですが、実はこの建売業者さんもよくわかっていません。
建物はどこの現場もほぼ同じ。
それなのに、売れる現場と売れない現場がある。
この建売業者さんと話しをすると、その原因は仕入れた用地の価格によるものではないかと言います。土地を安く仕入れられた現場は売れ、そうでない現場は苦戦するというふうに分析しているのですが、実は、違います。
多くの建売業者さんは、売れない原因は価格だと思っていますが、価格が高くても売れる現場もあれば、この価格なら即日完売間違いなしだと思って売り出しても全く売れない現場もあります。つまり、価格だけが売れるかどうかの原因ではないということ。他に原因があるということです。
では何が売上に影響するのか、ということですが、一番大きな要因は、需要と供給のバランスです。
そのエリアで欲しいと考えている人の数と、供給される物件の数が、売上に大きく影響します。経済の基本中のキホンですが、これを理解している人は決して多くはありません。むしろ、ほとんどの人はこの基本を忘れています。
とりわけ、危険なのが、いい物件を作れば売れると考えている建売業者さんです。売れたのは自分たちの企画が良かったから、売れたのは自分たちの家がいいから、と思ってしまうと、この罠に引っ掛かります。
もちろん、いい家を作ることは大切です。
しかし、どんなにいい家を作ってもその家を欲しがる人の数が少なければ売れません。これが商売の難しいところです。裏を返せば、需要より供給が少ないエリアであれば売るのは簡単だということ。大した家でもない家が売れている現場などはその確率が高いと言えます。
大切なことは、市場の需要と供給を見極めること。明らかに供給過剰な場所は避けることです。それでも仕入れなければいけない時は、供給過剰なエリアの中で突出した何かがある物件を作ること。それしか思い通りに売れる方法はありません。そこのところお間違えなく。
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