広告の限界

不動産マーケティング

「売れるに決まってる物件」つくっていますか?

「おいしい生活」で有名なコピーライターの糸井重里さんがコピーライターをやめた理由を朝日新聞デジタルで明かしています。

糸井重里さんといえば、日本を代表するコピーライターですが、最近では「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトを運営する東京糸井重里事務所の社長でもあります。

この会社は、数十万部を売ったほぼ日手帳をはじめ、タオル、料理レシピ本などを販売する会社。年間売上高も38億円を超えており、株式上場も果たしています。

そんなコピーライター兼経営者の糸井さんが、コピーライターをやめた理由を語っています。とても参考にできる部分がありますので、あなたもぜひお読みください。

――「ほぼ日(にち)」とも呼ばれるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」をみると、手帳やタオル、カレーのスパイスなどのオリジナル商品を、幅広く扱っていますね。糸井さんは、売る名人なのですか。

「売る名人じゃなくて、売れるに決まっているものをつくっています。売れるものを探し、売れるかどうか、常に自分に問いかけています」

――数十万部が売れている「ほぼ日手帳」は、利用者の声を集め、毎年改良を重ねているんだとか。

「使う人に喜んでもらえるか、考え抜く。喜ぶ姿が光景として浮かびあがらない商品は、ダメですね」

――そこに、秀逸なキャッチコピーをつける?

「製品ができてからお客さんの手に渡るまでは、長いドラマがある。広告屋は売るための助け舟を出すのですから、どこかで手伝うことはできます。でも、限界を感じたのです」

――限界、ですか。

「自分が薦めたい商品ならいい。でも、もっと改善できるはず、なんて思ってしまうと、納得して商品を語れない。だからコピーライターはやめました」

――えっ!

「エルメスにキャッチコピーはないですよね。よいコピーをつくることと、売れるものをつくることは別。よくないものをコピーで売るなんて、やめたほうがいい」

実は、これと同じ感情は私も何度も経験しています。クライアントの求めに応じて広告をつくることがあるのですが、ワクワクしながら広告がつくれる物件と、悩んでも悩んでも売れるアイデアが浮かばない物件があるからです。

悩んでも悩んでも売れるアイデアが浮かばない物件は、たとえ広告のチカラ(テクニック)を使って売れたとしても、一時的なもの。何度も同じ手を使うと飽きられてしまいます。

結局のところ、いい広告がつくれるかどうかは、物件次第。いい家ならいい広告がつくれますが、ありふれた家では、いい広告はつくれません。

大切なことは、広告に頼るのではなく広告が活きる物件をつくること。糸井さん的にいえば、売れるに決まっている物件をつくることが重要です。

あなたの物件は、売れるに決まっている物件ですか?改善できる余地はありませんか?もし売れ行きに不満があるならきっとどこかにまだ改善できる余地があるはずです。探してみてはいかがですか。

 

 

ピックアップ記事

  1. 妖怪ウォッチに学ぶ、売れる建売住宅のつくり方。
  2. 売れない物件を売れる物件に変える「青臭い法則」。
  3. 伸び代のある経営者とは?
  4. 不動産集客はキャッチコピーが8割。
  5. 不動産ビジネス、成功の種の見つけ方。

関連記事

  1. 新築住宅販売は通販会社に学べ!

    不動産マーケティング

    新築住宅販売は通販会社に学べ!

    先日、野菜の宅配を頼んでみました。実は、以前も同じような宅配を利用して…

  2. 販売用の新築一戸建てが完成したら真っ先にすべきこと。

    不動産マーケティング

    販売用の新築一戸建てが完成したら真っ先にすべきこと。

    最近、ホームページのリニューアルの相談が増えています。その際に、まずお…

  3. 営業マンのいない建売会社でもできる!売主の販売戦略とは?

    不動産マーケティング

    営業マンのいない建売会社でもできる!売主の販売戦略とは?

    建売業者さんによくある勘違いのひとつに、レインズやアットホームで情報を…

  4. 不動産マーケティング

    残念なオープンハウス。

    以前から気になっていた物件があります。場所はイマイチですが、建物の…

  5. ディズニーランドと不動産マーケティング。

    不動産マーケティング

    ディズニーランドと不動産マーケティング。

    あなたは「マーケティング」と聞いて何を思うでしょうか?Wikipedi…

  6. 不動産マーケティング

    あなたにもできる「とりあえずオープンハウス戦略」とは?

    売れない時代に入ってくるとやたらと増えるのがオープンハウス。中堅の仲介…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 伸びる建売会社と伸び悩む建売会社の違い。
  2. 不動産広告は、目立ってなんぼ。
  3. 販売図面を利用して成約率を2割上げる方法。
  4. 儲かる建売会社へ体質改善しませんか?
  5. 売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。
  1. 大手不動産会社に学ぶ、売れる仕組みのつくり方。

    不動産会社経営

    大手不動産会社に学ぶ、売れる仕組みのつくり方。
  2. 売れない物件を売れる物件に変える「青臭い法則」。

    不動産売却

    売れない物件を売れる物件に変える「青臭い法則」。
  3. ビジネスの設計図

    不動産マーケティング

    あなたの会社にはビジネスの設計図ありますか?
  4. 家余り時代(成熟期)に売れる新築住宅とは?

    不動産マーケティング

    家余り時代(成熟期)に売れる新築住宅とは?
  5. あなたの不動産会社に優秀な人材が集まらない意外な理由。

    不動産会社経営

    あなたの不動産会社に優秀な人材が集まらない意外な理由。
PAGE TOP