「ミラーニューロン」という言葉を知っていますか?
ミラーニューロンとは、霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞のこと。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をすることから名付けられました。
ミラーニューロンのおかげで人間は、他人がしていることを見て自分のことのように感じたり、模倣しようとしたりするのです。人間は、このミラーニューロンの働きによって、その場を共有する人間の感情を無意識のうちに読み取り、その感情に同調しようとします。
つまり、このミラーニューロンの作用によって人の感情は周囲の人間に伝染するのです。とりわけ、ビジネスの現場ではこのミラーニューロンが活発に働きます。その典型が上司の感情が部下に与えるケースです。
例えば、上司がピリピリした表情で部屋に入ってくると、その部屋にいるメンバー全員に緊張感が走ります。逆に、上司の表情が和やかだとその部屋にいるメンバーはリラックスして仕事に臨むことができます。
要するに、上司が思っている以上に、部下は上司の感情に影響を受けているということ。そのため、上司の感情の状態は部下のパフォーマンスに大きく影響します。
実際、私がコンサルティングしている会社でも社長が忙しく、いつも機嫌が悪い会社は社員のパフォーマンスが悪い。社長が忙しい為に、社員が社長に相談する時間が少なく、相談したくても機嫌が悪いので相談しにくい。
結果として、ミスを犯したり、社長の思うようにならず、更に怒られる。そして、社員は萎縮して更にパフォーマンスを落とすという悪循環が生まれます。しかし、もとをただせば社長が忙しく機嫌が悪いことが原因。そのピリピリした雰囲気が社員に伝播し部下のミスを誘発しているのです。
だから、社長はいつも機嫌よくいることが大切。部下のパフォーマンスを伸ばすには、社長は忙しくするのではなく、余裕を持ったスケジュールを組み、機嫌よく仕事をし、社内の雰囲気をリラックスさせることです。お試しください。
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