新築住宅をローコストで差別化する最も賢明な方法。

不動産マーケティング

新築住宅をローコストで差別化する最も賢明な方法。

売れる建売住宅をつくる上で欠かせないもののひとつ、それが「間取り」です。
大手ハウスメーカーが注文住宅を建てた人を調査したところ、「住まいでもっともこだわったところは?」という質問に対して「間取り・プラン」と答えた人が第1位でした。(夫62%、妻64%)。それだけ多くの人が気にしている間取り。しかし、建売住宅ではその間取りがあまり重視されていないように思えます。

原因の一つは、建築士。建売業界では、コストを下げることばかりが重視されているせいか、建築士のコストも高くありません。そのため、腕のいい建築士を利用していない。もっとも、いい間取りを書いても、ありきたりの間取りを書いても、売主の評価が同じであれば建築士もやりがいはないでしょう。やはり売主が間取りに対して価値を持たなければ、いい建築士とは巡り会えません。

では、なぜ間取りがそれほど大切なのか?
それは、コストの割に家の印象が大きく変わるからです。つまり、差別化がしやすいということ。同じ材料、同じ建築会社を利用しても間取りで家の印象は大きく変わります。差別化に対する費用対効果が大きいのが間取りです。

間取りには流行があるため、今現在どんな間取りが流行っていて、どんな価値観が重視されているかを知っている建築士を雇えば、それだけあなたの建売住宅は売れやすくなります。そのためのコストは、売れなくて大幅な値下げをすることを考えればたかが知れてます。

実際、1件数百万円も請求する有名建築士でなくても、そこそこの料金でセンスのいい間取りを書ける建築士は山ほどいます。そんな建築士を利用することで、売れ行きは大きく変わります。例えば、大手ハウスメーカーの下請けをしている建築士さん。彼らは、流行には敏感ですし、注文建築をメインにやっているのでお客様の細かい要望もよく理解しています。それに対して、建売業者専門の建築士は、コストを下げることには長けていますが、流行やお客様の細かな要望はわかりません。

つまり、建築士の目線がエンドのお客様か、建売業者かによって間取りも大きく変わってくるということです。たかが間取り、されど間取り。間取りを見ると、建売業者の住まいに対する情熱、レベルがわかります。最近、思うように売れない・・・と感じたらまず間取りを見直してみましょう。ローコストで差別化できるポイントですよ。

 

ピックアップ記事

  1. 建売会社が抱える「今、そこにある危機」
  2. 伸びる建売会社と伸び悩む建売会社の違い。
  3. 不動産会社経営、社長の機嫌と売上の関係。
  4. イケてる経営者になるための決断力の磨き方。
  5. 不動産チラシ、「価格は大きく目立つように」は正しいのか?

関連記事

  1. こうすれば新築一戸建ての反響はもっと増える。

    不動産マーケティング

    こうすれば新築一戸建ての反響はもっと増える。

    以前、ある企業の個人情報流出が大問題になったことがありました。 個…

  2. 建売住宅販売はモノから人の時代へ。

    不動産マーケティング

    建売住宅販売はモノからヒトの時代へ。

    建売業界が抱える問題のひとつに、「お客様の声を聞かない」ということがあ…

  3. 不動産売却の成約率を上げる3つの要素とは?

    不動産マーケティング

    不動産売却の成約率を上げる3つの要素とは?

    私の提供しているサービスのひとつに売れる販売図面作成サービスという商品…

  4. これからの不動産営業は売り込むほど売れなくなる。

    不動産マーケティング

    これからの不動産営業は売り込むほど売れなくなる。

    不動産業界というのは、ある意味非常に遅れた業界。大きなお金が動くにもか…

  5. 建売業者はお客様の行動パターンを理解せよ!

    不動産マーケティング

    建売業者はお客様の行動パターンを理解せよ!

    もしあなたのビジネスが自分の満足いく結果を出していないとしたら、その最…

  6. 不動産マーケティング

    売れる不動産会社と売れない不動産会社の違い。

    よくある建売業者さんからの相談のひとつに、レインズに掲載しているのに売…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 一筋縄では売れない新築分譲住宅の売り方。
  2. 売れない時は、世阿弥に学べ。
  3. 新築分譲住宅を営業マンに頼らないで売る方法。
  4. 売れない不動産がなくなる!?コンサルタント思考法。
  5. 不動産営業は、説得から体感の時代へ。
  1. お金をかけずに物件も魅力を2割増しにする方法。

    不動産マーケティング

    お金をかけずに物件の魅力を2割増しで伝える方法。
  2. 売れるかどうかは物件以外の要素で決まる!

    不動産マーケティング

    売れるかどうかは物件以外の要素で決まる!
  3. 不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。

    不動産広告

    不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。
  4. 不動産マーケティング

    昔の常識に惑わされていませんか?
  5. スタバに学ぶ、建売住宅が価格競争に巻き込まれないための極意。

    不動産マーケティング

    スタバに学ぶ、建売住宅が価格競争に巻き込まれないための極意。
PAGE TOP