自社で現地売出をやったことのある不動産業者ならわかると思いますが、折り込みチラシやポスティングは結構お金がかかります。その上、反響率は驚くほど悪い。チラシ1万枚で反響1件、なんていうのはまだマシな方。物件によっては、2万枚で1件というのも珍しくありません。
チラシの制作コストや折り込み費用等々を考えると、1人の見込み客を獲得するのに、10万円近くの費用がかかります。そして、成約にはその10倍もの数が必要だとすると、1件契約するのに100万円近くの広告宣伝費が必要だということになります。
もちろん、それだけコストをかけても売れれば問題ありませんが、それはあくまで机上の計算。実際には、それだけのコストをかけても売れないことも考えられます。だから、最近ではチラシなど紙媒体を使った広告宣伝が減ってきているのです。
では、どうしたら安い集客コストで販売できるようになるのでしょう?
実は、以前ある地方都市で成功した事例があります。それが、案内キャンペーンです。
案内キャンペーンとは、ある一定期間に案内してくれた仲介業者にリベートを渡す方法。この業者さんの場合は、案内期間中に来場したお客様と連れてきた営業マンに1件あたり2,000円のクオカードをプレゼントました。つまり、1件あたり4,000円のコストで見込み客に物件を見てもらうことができたのです。もちろん、営業マンは何度案内してもOK。その都度、2,000円のクオカードがもらえます。お客様にとっても、ただ物件を見るだけで2,000円のクオカードがもらえるわけですから悪い気はしません。営業マンも気軽な気持ちで勧められますから案内も増えます。
まあ、こんな話をするとすぐに心配性な人から反論が起こります。それは、買う気もない人ばかりが来てお金をドブに捨てることになるという反論です。もちろん、中にはお金目当てのお客様や営業マンもいることでしょう。でも、それがきっかけで物件を知ってもらえることもあります。ムダかムダでないかは、やってみなければわかりません。
実際、この議論はレストランのバイキングの議論と同じ。食べ放題にしたら、毎日お相撲さんがやってきて、店は潰れてしまうという反論と同じです。でも、現実にはどうでしょう?多くの食べ放題のお店は儲かっています。つまり極端なことは起こらないということ。それが理解できるかできないかでこのキャンペーンを利用できる人とできない人に分かれます。
ただ、冷静に考えて欲しいのは、もしあなたの物件が見れば決まると自信がある物件なら、お金を払ってでも見てもらうことが大切だということです。案内キャンペーンをうまく利用すれば、1件の案内がわずか4,000円でできます。しかし、自社でチラシを撒いて案内までこぎつけるには、最低でも10万円の費用がかかります。どっちが得か、よく考えてみてはいかがですか。
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