不動産広告はやりすぎくらいでちょうどいい。

不動産広告

不動産広告はやりすぎくらいでちょうどいい。

ある建売業者さんの話。その建売住宅は、駅徒歩3分、閑静な住宅街の東南角地に建つ新築住宅でした。人気の建築家が設計したいわゆるデザイナーズ住宅で日当たりも良く、素人目にもひと目でいい物件というのがわかる住宅でした。

ただ、難点は価格が高いこと。パワービルダーの近隣物件が3,000万円弱なのに対し、この物件はなんと4,000万円超。相場より1,000万円以上も高いのです。もちろん、パワービルダーの物件とは比べ物にならないほど、間取りや設備、素材にはこだわっています。法外な利益を貪っている訳ではなくコストを計算していくとこれくらいの価格になってしまったというのが実情です。

売れ行きは?というと予想通り、、、苦戦。
完成前はもちろん、完成後もなかなか売れません。

ただ、物件自体はお客様の目を引くため仲介業者からの広告掲載依頼は絶えません。そのため最初は、広告掲載を拒否していた売主さんも完成と共に広告掲載を許可。チラシ、ホームページ、インターネットなどすべての媒体を利用するようになりました。気がつけばSUUMOにはこの物件の広告だらけ。昔ながらの建売業者さんでは考えられない光景が展開されていました。

当初は、大手不動産仲介会社だけに現地売り出しを依頼していたのですが、これも途中で方向転換。会社の規模ではなく熱心さで仲介業者を選ぶようになりました。最終的には、従業員数人の小さな仲介業者に依頼。1ヶ月間専任で任せることにしたのです。

結果は?というと専任を出してわずか2週間で買い付け2本。
どちらも頭金、勤務先とも申し分ないお客様で、最後はどちらにしよう・・・と悩むほど。あの売れなくて悶々とした日々は何だったんだというハッピーエンドが待っていたのです。

面白いのは、買い付けを入れたお客様の住んでいる場所。
どちらも、この物件から歩いてわずか数分という超近隣にお住まいのお客様だったのです。

そしてどちらのお客様も
「こんないい物件が近所にあったなんて知らなかった・・・」
といっていたこと。

売主としてはレインズやアットホームを利用して土地の段階から売り出していた物件です。完成後も大手仲介業者を通じて何度もオープンハウスをやってきました。それにも関わらず申し込みした人は、この物件の存在を知らなかったという事実。いかに物件の存在を知らせるのが難しいか改めてわかりました。

広告は、やり過ぎと思うほどで丁度。
あらためて広告の重要性と伝える難しさを認識させられました。

 

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