建売住宅が売れない、と相談に来る建売業者さんのほとんどが間違えていることがあります。
それが、建売住宅の発売時期と方法。大抵は、2つのパターン。ひとつは、土地を取得した頃に未公開物件として知り合いの業者だけに物件を公開するパターン。そしてもうひとつは、建物が完成するまで販売を見合わせ、建物が完成してから一気に販売するというパターン。
どちらも、ある環境下ではそれなりの効果を上げてきました。ある環境下というのは、お客様がたくさんいる環境のこと。供給より需要が多い時代。ひとことでいえば、景気のいい時代です。そんな時代なら、未公開物件はかなり効果がありますし、完成物件はインパクトがあって決まりやすくなります。
問題は、今がそんな時代か?ということです。
過去の成功体験というのは恐ろしいもので、一度経験してしまうと、ずっと続くような気がします。だから、現実を直視しない。そして過去の成功体験を延々と続けるのです。その結果、・・・売れないという現実にぶちあたります。
なぜ売れないのかは、見込み客の比率を見えれば一目瞭然。
一般的な見込み客の比率は、
今すぐ客が、1%、
そのうち客が、9.5%
お悩み客が、9.5%
まだまだ客が、80%
と言われています。この中で狙わなければならないお客様は今すぐ客と、お悩み客、そしてそのうち客です。今すぐ客は当然ですが、本当に狙わなければいけないお客様は、お悩み客と、そのうち客。お悩み客というのは、買いたいというニーズはあるけど、何を買ったらいいのかわからない、と悩んでいるお客様のこと。そして、そのうち客というのは、欲しいとは思っているけど、今すぐ買わなければいけない差し迫った状況にないお客様のこと。
この2種類のお客様だけで19%います。実に、今すぐ客の19倍。それにもかかわらず、ほとんどの業者は今すぐ客しか狙っていません。もちろん、今すぐ客を狙うのは間違いではありません。チラシ1枚で買ってくれるお客様ですから、ありがたいのですが何しろ数が少ない。当然、競合との戦いも熾烈。簡単そうなお客様ですが、簡単には決まりません。
それに対して、お悩み客やそのうち客は競合との争いはほとんどありません。19倍ものお客様がいるのに、ほったらかしというのが現実。その理由は、説得が面倒臭いから。説得するにはある程度のスキルと時間が必要になるからです。
ただ、不可能かというとそうではありません。何しろ、建売住宅の場合は、土地を取得してから完成するまでに半年近くの時間があるからです。それなりの戦略で、それなりの広告予算をかければ、半年あればお悩み客やそのうち客を今すぐ客に育てることは十分可能。
問題は、建売業者さんにそれだけの覚悟があるかどうか。新しいことにチャレンジする勇気があるかないかです。当然、最初はうまくいきません。なにしろはじめて取り組むことですから。しかし、コツがつかめれば無敵。ライバルを圧倒できます。1%の今すぐ客をライバルと奪い合う戦いを続けるか、19%の見込み客を育てる戦いに取り組むかはあなた次第。じっくり考えるべき時代になってきました。
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