建売業界は広告掲載禁止を続けるべき?

不動産広告

不動産業界は広告掲載禁止を続けるべきか?

業界経験が長くなればなるほど、本人はその気がなくても、業界の常識にふりまわされることがあります。

もちろん、業界の常識にも今に通用するものもありますし、業界の常識を守った方がラクなこともあります。しかし、その一方で、なんでこんな常識を守り続けているのだろうという常識も多いもの。実際、あなたが守っている常識を破って大成功している業者もたくさんいます。

そもそも常識というものは、横並び意識。他社と同じ枠組みで考えることになりますから他社より優位な地位に行くことはできません。そんな業界の常識のなかでも、私が異様に感じるのは不動産業界の広告禁止という常識です。もともとは、仲介業者を中心に広がった広告禁止。まだレインズが発達する以前の不動産仲介業が未熟だったころの常識です。

この広告禁止の目的は自社による両手仲介を促すため。他社が持っていない情報を持っていることでお客様を集客するのが狙いです。確かに、この方法は効果がありました。今でも効果がないわけではありません。ある一定の条件のもとでは、それなりの効果のある方法です。しかし、万能ではありません。なぜなら時代背景が違うからです。

この方法(広告しないで売るという売り方)は、物件情報が容易に手に入らない時代には有効ですが、今のように物件情報が容易に手に入る時代にはあまり効果がありません。効果がない理由は、お客様の購買スタイルの変化。情報が少ない時代は、情報を得るために不動産業者と接触しなければなりませんでした。だから、不動産会社は容易にお客様を集客できたのです。

お客様と接触さえできればしめたもの。あとは得意の営業力と「まだどこにも出てない情報があるんですが・・・」という口説き文句で、広告されていない物件を勧めれば簡単にお客様を落とすことができました。しかし、今は違います。

今は不動産会社に行く前に自分でインターネットやその他の媒体から物件を探す時代。自分である程度見込みをつけてから、最後に不動産会社へ行く時代です。そこを勘違いしている業者さんが多い。時代が変わりお客様の購買スタイルが変わったことに気づいていないのです。

大切なことは、お客様の購買スタイルに合わせた売り方をすること。今の時代であれば、お客様が自分で物件情報を集める場所に、あなたの物件情報を掲載することが売れるための最善の方法なのです。SUUMOを見るのが常識になっているお客様が多いなら、SUUMOに物件情報を掲載するのは当たり前。それをインターネット広告禁止とか自社サイトのみ広告OKとか制約をつけるのは、自らビジネスチャンスを放棄しているのと同じです。

どんなにあなたの物件にピッタリのお客様がいても、あなたの物件を知らなければ買うことはできません。広告とは、あなたの求めるお客様にあなたの物件情報を知らせること。ひとりでも多くの人にあなたの物件の良さを知ってもらえれば売れる確率は上がるのです。だから広告が必要なのです。

他社が業界の常識に縛られていればいるほど、その常識を破ればビジネスチャンスが生まれます。あなたもそろそろ業界の常識を破ってみませんか。新しい世界が見えてきますよ。

 

 

ピックアップ記事

  1. イケてる経営者になるための決断力の磨き方。
  2. 不動産会社経営、社長の機嫌と売上の関係。
  3. 不動産を早く売却するコツは値下げより価値の値上げ!
  4. パワハラと不動産会社の未来。
  5. 新築一戸建ては「リンゴ売りの法則」で売れ!

関連記事

  1. 不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。

    不動産広告

    不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。

    先日、顧問先からこんな相談を受けました。それは、一生懸命、広告している…

  2. 不動産広告は3ヒット理論でつくれ!

    不動産広告

    不動産広告は「3ヒット理論」でつくれ!

    仕事柄、切羽詰まった不動産会社からの問い合わせも時々あります。 …

  3. 建売会社が信じる間違った広告常識。

    不動産広告

    建売会社が信じる間違った広告常識。

    売れない物件を抱えたクライアントから「どうしたら売れるでしょうか?」と…

  4. レインズでわかる!あなたの物件の認知度。

    不動産広告

    レインズでわかる、あなたの物件の本当の認知度。

    できることなら完成前。悪くても完成後1ヶ月以内。それくらいで売れるとう…

  5. 反応率の高い不動産広告をつくるための3つのNotとは?

    不動産広告

    反応率の高い不動産広告をつくるための3つのNotとは?

    マクスウェル・サックハイムの三原則を知っていますか? マクスウェル…

  6. えっ本当!合法的に不動産の不当表示防止法を逃れる方法。

    不動産広告

    えっ本当!合法的に不動産の不当表示防止法を逃れる方法。

    不動産広告にはいろんな制約があります。なかでも一番やっかいなのが不当表…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. その商品企画、相談する相手間違えていませんか?
  2. 不動産集客はキャッチコピーが8割。
  3. 勉強熱心な不動産業者が陥る罠(ワナ)とは?
  4. 売れてる建売会社や設計事務所が習慣にしていること。
  5. 不動産会社の社長に多い、間違った責任感とは?
  1. お金をかけずに不動産を売る一番簡単な方法とは?

    不動産広告

    お金をかけずに不動産を売る一番効果的な方法とは?
  2. なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?

    不動産会社経営

    なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?
  3. 残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    不動産マーケティング

    残念!こんな不動産の値下げは失敗する。
  4. 売りにくい物件を即決物件に変えるコツ。

    不動産売却

    売れ筋じゃない物件を即決物件に変えるコツ。
  5. 不動産広告、仲介業者任せにしていませんか?

    不動産広告

    不動産広告、仲介業者任せにしていませんか?
PAGE TOP