意外と知られていませんが、売れる建売住宅をつくる上で欠かせないものがあります。それは、インテリアコーディネート。インテリアコーディネートとは、住まい全体の雰囲気を決める重要なもの。床、壁、天井などの内装材や、カラーやレイアウト、照明、家具などを具体的に決める仕事です。
そのため、同じ家でもインテリアコーディネートの仕方によって全く違う雰囲気に変わります。つまり、インテリアコーディネートの仕方によって建売住宅の魅力は大きく変わるということ、売れ行きに直結する重要なポイントだということです。
それにもかかわらず、実際の建売住宅販売の現場ではこの部分が重要視されていませんん。大抵は、設計士におまかせか、なかには社長自らがいろいろと指示を出す程度。
もちろん、設計士さんや社長がそれなりのセンスを持っていればいいのですが、大抵は男性のため、自分好みのインテリアコーディネートになってしまいます。その結果、購入する人(決定権者)の感覚とズレが出てしまうことがほとんど。売れない原因の一つになっています。
そのため、売れる建売住宅をつくりたいのであれば、センスのいいインテリアコーディネーターを確保することが重要なのですが、ほとんどの建売業者さんはそれがわかっていません。
わかっていない最大の理由は、建築コストを下げることに夢中になっているからです。建売業者さんのほとんどが、いかに安く建てるかということに腐心しています。
安く建てて、安く売る。それさえ守っていれば建売販売は安泰だと思っているからです。もちろん、その考え自体は間違いではありませんが、それだけでは限界もあります。
みんなが同じ考え方で建売住宅をつくれば、出来上がるのは同じような家ばかり。魅力のない家同士での価格競争がはじまるからです。
そうならない為には、差別化が大切。なるべくお金をかけないで差別化するには、インテリアコーディネートで差をつけるのが一番簡単です。
同じ材料でも何を選ぶか、どんな色を選ぶか、そしてそれをどこに利用するかで建物の印象は大きく変わります。もちろん、インテリアコーディネーターを利用すればそれなりのお金がかかりますが、売れないで100万、200万と値下げするよりははるかに大きな効果があります。むしろ、いかにセンスのいいインテリアコーディネーターを見つけるかの方が問題です。
これからの建売業者さんが考えなければいけないことは、コストを削減することではありません。コストの費用対効果を考えることです。インテリアコーディネーターに払う費用以上にメリットがあればコストを惜しまず払いましょう。
大切なのはいいチームを築くこと。
それが一番の差別化に繋がりますよ。
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