価値観の相違という言葉をよく耳にします。そう、価値観が違うと、どんなにいい商品を作っても売れません。商品自体に問題があるのではなく、購入する人の価値と合わないからです。
つまり、商品が売れるか売れないかは、価値観をお客様と共有できるかどうかにかかっているということ。裏を返せば、お客様が価値を感じるように売らなければ売れないということです。
そこで重要なのが男性と女性の価値観の違いです。これがわかっていないと、せっかくの苦労が水の泡になりかねません。特に、建売住宅や不動産業界は完全な男性社会。女性の気持ちには疎い世界だからです。
では、なぜ女性に配慮しなければいけないのか?それは購買決定権者が変わったからです。今や約8割が女性が購買決定権を持っていると言われています。つまり、男性ではなく女性に気に入られることが商品を売るためには重要だということ。そのためには女性の気持ちを理解することが何より大切だということです。
そこで注意しなければならないことがあります。それは女性と男性では買物に対する価値観がまるで違うということです。いくつか例をあげましょう。男性は、多くの場合、商品のスペックを比較して、客観的に見て正しい選択をしようとします。しかし、女性は、商品のスペックひとつひとつを丁寧に比較するのではなく、まず、全体をイメージで捉えます。
そして、その商品が「私の部屋にあったらどうか?」「私のいつものファッションにあうか?」「これがあったら楽しくなりそうか?」等々買う前にその商品と一緒にいるハッピーな自分がイメージできるかどうかを重要視します。
また、店員との接し方についても、男性は、店員に気軽に話しかけませんが、女性は、はじめて入る店でも気軽に店員に話しかける人が多い。なぜなら、会話を通してコミュニケーションを楽しんでいるからです。私のことに関心を持って話を聞いてくれる。私の好きなブランド、商品について共通の話題で盛り上がれる。そんな店員から商品が買えれば、より気持ちいいからです。
そのため、男性は「商品は同じなんだから、どこで買っても一緒じゃないか」と得られる結果にこだわりますが、女性は、せっかく買うんだから気持ちのいい店、気持ちのいい店員さんから、気持ちよく買いたいと、その買い方、プロセスにこだわる人が多い。
下調べをきっちりして、自分で商品の優劣をつけて、これだと決めてから売場へ最終確認に行く男性に対し、女性は、漠然としたイメージを持ったまま店に行き、売場の雰囲気や店員との会話を楽しみ、そのプロセスそのものも商品の価値の一部として購入します。そのため、購入しようとレジまでいったけど、店員の態度や余計な一言が不愉快で、買わずに店を出ていくということもありえるのです。
これらのケースが如実に現れるのが不動産の販売現地です。ほとんどの販売現地が男性向き。売り方も見せ方もスタッフの接し方もすべてが男性仕様。だから、売れてもいい現場が売れないのです。大切なことは、女性の価値感にあった売り方をすること。そのために売り方を変えることです。お試しください。
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