建売住宅は、仕入れに始まり仕入れに終わると、言う人がいます。ほとんどのビジネスに当てはまる名言といえば名言。私も否定はしません。
ただ、それだけでビジネスが上手くいくかというと、それも疑問。どこよりも安く、いい物件をコンスタントに仕入れるというのは至難の技だからです。そのため、仕入れ担当者は情報の入手に躍起になります。様々なルートを使って情報を入手するわけですが、最終的には2つのパターンに集約されます。
人間関係で情報を集めるか、
高値で買える会社になって情報を集めるか。
人間関係で情報を集めるのは、昔ながらのやり方。業者と一緒にお酒を飲みに行ったり、ゴルフをしたりと、主に夜のクラブ活動が中心。古いパターンですが、未だに人気のパターンです。
もう一つは、高値で買い取る方法。
いい物件が、ある特定の業者にだけ流れるというのは、そうそう多くはありません。大抵は、いくつかの業者が競合することになりますから、高値で買える会社が有利。
逆に、高値で買える会社という評判が立てばおいしい情報も一緒に回ってくるようになります。昔のリクルートコスモスなどがこのパターン。創業時は、素人の集まりのような会社だったため、徹底的な高値買いをしていました。その結果、驚くほど短期間で業界のトップ集団に上り詰めのです。
ただし、高値で買うのにはリスクが伴います。高値で買っても売れなければ単なる不良在庫。一気に資金繰りが悪化します。では、どうしたらいいのか?
高値で買える会社になるためには、出口戦略を充実させること、つまり、販売力を強化する必要があります。
建売業者に販売力?うちは直接販売はしていないし・・・という人も多いのですが、これからはこの分野が強くないと生き残ってはいけません。自社で営業マンを抱える必要はありませんが、責任を持って販売を請け負ってくれる仲介業者と提携することは重要になってきます。
その際のポイントは、広告宣伝能力。売主も仲介業者もどちらも広告宣伝能力のある会社が生き残る条件になります。パワービルダーは、安く建物を建てることで差別化をはかっています。中小建売業者は、パワービルダーほど安く建物を建てることはできません。
ということは、同じ価格で土地を仕入れてもパワービルダーには勝てないということ。
価格勝負では負けることになります。
価格で勝てないとなると後は商品力と販売力で勝つしかありません。ただし、どんなにいい物件をつくっても
それを伝える能力がないとお金には結びつきません。
飲食店などでおいしいお店なのに繁盛していない店はこの伝える能力が不足しているから繁盛しないのです。裏を返せば、伝える能力(広告宣伝力)を磨けば、売上を自分たちでコントロールできるようになるということ。
自分たちで売上がコントロールできるようになれば、高値で仕入れることも可能になるということです。多くの建売業者さんは、仕入れだけに躍起になっています。確かに仕入れは重要ですが、それをもっと楽にするには販売力、つまり、広告宣伝能力を身につけることが重要です。
一朝一夕には身につきませんが、これから生き残っていくためには避けられないスキル。他社を圧倒的に引き離す重要な能力です。先ずは頭の片隅に入れておいてください。
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