e-住み替え

不動産マーケティング

”e-住み替え”誕生物語。

不動産業界に入って32年、独立してすでに24年が経ちました。

バブルの到来から崩壊、そして現在の平成不況まで本当にいろんな経験をしてきました。そして今やっと自分が目指した不動産会社ができつつあるのを実感しています。はじめまして”e-住み替え”代表の西村伴之と申します。

まずは私の経歴を話させてください。私は大学卒業と同時にマンション分譲最大手D社に入社しました。営業力ではピカイチの会社です。マンション業界を席巻した主要な会社の幹部がほとんどこの会社の出身者だということをみていただくだけでもその営業力の凄さが理解していただけるでしょう。

今の若い人には信じられないかもしれませんが、私たちの新人研修は自衛隊でした。最初は「なぜ自衛隊なんだろう?」と思いましたが、大して気にはしていませんでした。しかし入社してみてその意味がわかりました。会社自体が自衛隊以上の厳しい組織だったのです。

とにかく徹底的にしごかれました。仕事といえば「電話セールス」と「飛び込み営業」。
電話セールスの日は朝の9時から夜の9時まで休む暇なく電話をかけます。飛び込み営業も同じです。夜の9時過ぎまで団地のチャイムを鳴らし続けるのです。当時、私たちの頭にあるのはとにかくノルマを達成することだけでした。今月も早くノルマを達成して楽になりたい、それだけが願いの日々でした。

「営業っていうのはなぁ、いらないって言うお客さんを説得して売ってくることだ!欲しい人に欲しい物を売るだけならお前らなんかいらない!」これが当時の営業部長の口癖でした。その時は疑うこともなくこの言葉を信じて営業していました。毎日がお客様への説得の日々。時には夜中の2時、3時まで自分の父親のような人を説得していました。説得と云えば聞こえはいいですが、実際は押し売りです。いらないと断る人に、あれこれもっともらしい理由をつけて売りつけるのです。

成績は最初の頃こそ苦労しましたが、ある時期からはそこそこの数字が残せる社員になりました。支店内でトップを取ったこともあります。それなりに待遇もよくしていただいたのですが、いつも心のどこかに何か納得できないものがありました。多分「自分がお客様の立場だったら買わないような物件を、さも価値のある物件のように説得して売りつけることへの罪悪感」だったのだと思います。しばらく頑張ったのですが、結局退社しました。

その後、不動産仲介の道へすすむことになるのですが、ここでもマンション販売最大手の出身者は優遇されました。どこの不動産会社へ行っても即採用です。それほどこの業界では抜群の営業力を持った会社として名が通っていたのです。今度こそは押し売りしなくてもいい、そう思ってある大手不動産会社に入社しました。しかし現実は違いました。

テレビコマーシャルでも有名な会社なのですが給料が極端に安く、とても基本給だけではやっていけません。成績を上げなければ生活がなりたたない仕組みになっているのです。営業には自信がありましたので、ここでもそれなりの成績は残せました。どちらかというと、以前の会社よりブランド力があったせいかお客様から信頼を得るのは簡単でした。しかし、心の中の罪悪感はなくなることはなかったのです。

悶々とした数年が過ぎていきました。そして遂に独立する日を迎えたのです。

ネクストコーポレーションという名前は「現状に満足することなく常に次を目指す会社」という思いを込めてつけました。今度こそは自分の納得できる売り方でお客様によろこんでもらおう、そう思って独立したのです。しかし、現実は甘くはありませんでした。大手不動産会社の看板をはずした途端、お客様からの信頼もなくなってしまったのです。目指すは今までの経験を活かしたコンサルティング営業、とはいってもお客様が来ないのでは会社は成り立ちません。理想を掲げてはじめた自分の会社もその理想を封印するのに3ヶ月もかかりませんでした。結局、それまでの会社と同じように営業マンの都合や会社の都合だけを考えた営業手法に戻らざるを得なかったのです。

そうは言っても自分の会社です。それから数年、一生懸命頑張りました。最盛期には営業マン十数人をかかえるまでになりました。しかし、長引く不況のため会社の規模は次第に縮小せざるを得なくなったのです。事務所も社員もリストラし、一から出直しを計ることにしました。そんな時ふと本屋で目にしたのが「インターネットでお店やろうよ」とい
う雑誌でした。今から17年程前のことです。

インターネットなら経費もかからない、株のオンライントレードもはじまった、これからはインターネットの時代だ!そう信じてインターネットの世界へ飛び込んだのです。最初はプロのデザイナーに頼んでホームページを作ってもらいました。結構なお金を払ってつくってもらった割には反応は全くありませんでした。一時はあきらめて放っておいたのですが、その間も不動産市況はどんどん悪くなるばかり。チラシを撒いても、オープンハウスをやってもお客様は来ません。意を決して自分でホームページを作ることにしました。慣れない作業に四苦八苦しましたが3冊のマニュアル本を見ながら何とかつくりあげました。

今でこそ、このサイトも新聞や雑誌に取り上げられ知名度も上がりましたが当初はほとんど反応はありませんでした。インターネットのサイトなのにチラシをつくって団地に配りにいくという笑い話のようなことを1年以上続けました。そんな地道な苦労が実を結んだのか、私たちの主張に共感を持っていただけたのかは分かりませんが、次第に問い合わせは増えていきました。

転機はメールマガジンの発行と共に訪れました。

毎週3回エリア別の最新物件情報を提供するメールマガジンを発行しはじめたのですが、ここに掲載しているコラムが評判を呼んだのです。日々私たちが経験する体験談や業界の裏話、不動産取引のコツなどを正直に書いているだけなのですがお客様には新鮮に写ったのでしょう。辛口なコラムも多いのですが瞬く間に読者数が増えていったのです。読者数の増加と共にアクセス数も会員登録される方の数も増えました。そしてマスコミからの取材も増えていったのです。

私たちからすればお客様の不満をただ単に解決したい、自分らしい売り方を実現したい、そんな単純な夢を実現したかっただけなのですが、それを実行に移す行為が業界秩序への挑戦と写ったのかも知れません。にわかに注目されはじめたのです。お客様サイドから見た今までの不動産取引の不満は、高額な仲介手数料としつこい営業、そして売るためには平気でウソをつく営業マンでした。それを、誰もが安全で快適な取引ができるようにするためにつくったのが”e-住み替え”です。

このサイトを立ち上げるにあたって特に気をつけたことがあります。
それはお客様と営業マンとの関係です。もっと云えば営業マンのプロとしてのプライドの復活です。今までの不動産取引ではお客様と営業マンの関係がお客様とセールスマンという関係になっていました。ここに今まで私が悩んできた問題があるのです。

セールスマンというのは物を売りつける人です。そのため、お客様は変な物を売りつけられないよう、ダマされないように警戒します。逆にセールスマンはあらゆるテクニックを駆使してお客様に気に入られようとし自分に都合のいい物を買わそうとします。その結果、お互いの関係は常に緊張状態にあり、ホンネを悟られないように心に壁をつくって付き合うようになるのです。

これでは素人は安心して一生の住まいを購入することはできません。
お客様が求めている不動産会社は会社の利益や営業マンの利益を優先する会社ではなく、お客様の利益を優先してくれる会社なのです。いいものはいい、悪いものは悪いと客観的に教えてくれるコンサルタントのような不動産会社や営業マンが求められているのです。e-住み替えは、それを実現するために不動産業界のタブーに挑戦しました。それが仲介手数料半額というサービスです。

不動産業者に取っては生命線とも言える仲介手数料にあえて踏み込むことによってお客様と営業マンの関係をお客様とコンサルタントという関係に変えたのです。つまり、仲介手数料半額という圧倒的なメリットをお客様に提供する代わりに営業マンもプロとしての人格を手に入れたのです。

今までの営業マンはお客様に購入してもらうためには奴隷のように働きました。屈辱的な言葉にも耐え、いつも笑顔を絶やさず買ってもらうまでの辛抱と自分にいい聞かせながらお客様のわがままに付き合ってきました。しかし、もうそれをする必要がないのです。仲介手数料半額という圧倒的なメリットのおかげでお客様の絶対数が増えたからです。

今までは少ないお客様で厳しい営業ノルマを達成しなければなりませんでした。そのため、否が応でも営業はしつこくならざるを得ません。時にはウソも方便とばかりに平気でウソをつく営業マンもでてきます。構造的な問題がそこにあったのです。しかし、今は違います。営業マンは安心してプロとしてのコメントをお客様に伝えることができるのです。成績を上げるための営業トークではなく、プロとして人間として正直な気持ちをお客様に伝えることができるのです。

ですから、従来の不動産業者のような至れり尽くせりのサービスを期待する方には私たちは不向きかもしれません。何故なら私たちはお客様を神様だとは思っていないからです。お客様と私たちの関係はあくまで50:50(フィフティ・フィフティ)。できれば不動産会社に勤める友達が親友にアドバイスするようなお付き合いができることが理想です。

友人ですから時には厳しい意見も言わせていただきます。物件によっては買わないほうがいいと忠告することもあります。プロの不動産業者としてアドバイスはしますが、買ってくださいとお願いするようなことはありません。また頼まれもしないのにセールスの電話をするようなこともありません。なぜなら、客観的なアドバイスをもとにお客様ご自身でじっくり考え納得して購入していただきたいからです。

もちろん、こんなことを言ってすべての人に受け入れられるとは思っていません。「何を偉そうに…」と思う方もたくさんいらっしゃることでしょう。しかし、それはそれでいいと思います。不動産は高額な商品です。普通の人にとっては一生に一度しか経験しない一大事です。しっかりした信頼関係こそが、後悔のない取引につながると思うからです。ですから、私たちの考え方に共感していただける方だけご利用ください。期待以上のサービスをお届けすることをお約束します。

株式会社ネクストコーポレーション  代表取締役 西村伴之

 

ピックアップ記事

  1. 売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。
  2. 新築分譲住宅は現場力が決め手。
  3. 幹線道路沿いの不動産を売るための効果的なテクニック。
  4. 実は意外と知らない!権威性を高めて売上を伸ばす方法。
  5. 不動産販売、困った時は人柄で売れ!

関連記事

  1. 不動産マーケティング

    その色使い、間違っていませんか?

    多くの建売住宅を見ていると立地や価格は問題ないのに「この家は売りにくい…

  2. 540円で掴める!女ゴコロを魅了する建売住宅のつくり方。

    不動産マーケティング

    540円で掴める!女ゴコロを魅了する建売住宅のつくり方。

    建売住宅に限らず、住宅を販売するのに欠かせないのが女性(主婦)の目線。…

  3. 不動産マーケティング

    あなたの提供する不動産情報はお客様が望む不動産情報ですか?

    アドビシステムズが、企業のWebサイトやソーシャルメディアなどのデジタ…

  4. あなたならどうする?競合より条件の悪い物件の売り方。

    不動産マーケティング

    あなたならどうする?競合より条件の悪い物件の売り方。

    真面目な建売業者さんが陥る思考、それは、人は合理的に判断するという思考…

  5. 売れる新築一戸建てをつくるための女ゴコロの掴み方。

    不動産マーケティング

    売れる新築一戸建てをつくるための女ゴコロの掴み方。

    先日、ある有名なコンサルタントが経営者を集めて面白いセミナーを開催しま…

  6. あなたの知らない大手ハウスメーカーの本当の客層。

    不動産マーケティング

    あなたの知らない大手ハウスメーカーの本当の客層。

    先日、ある大手ハウスメーカーの担当者と話をする機会がありました。誰もが…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 購入者の属性、把握していますか?
  2. 建売住宅は企画が8割。
  3. 常識的な不動産チラシ VS 非常識な不動産チラシ。あなたはど…
  4. 一筋縄では売れない新築分譲住宅の売り方。
  5. 不動産会社経営「もうはまだなり、まだはもうなり」
  1. 売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。

    不動産会社経営

    売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。
  2. 建売業界で小さく確実に儲ける唯一の方法。

    不動産会社経営

    建売業界で小さく確実に儲ける唯一の方法。
  3. 不動産売却、トップ営業マンと凡人の違い。

    不動産売却

    不動産売却、トップ営業マンと凡人の違い。
  4. 建売業者はお客様の行動パターンを理解せよ!

    不動産マーケティング

    建売業者はお客様の行動パターンを理解せよ!
  5. なぜ建売会社は過去の成功体験に囚われてはいけないのか?

    不動産会社経営

    なぜ建売会社は過去の成功体験に囚われてはいけないのか?
PAGE TOP