先日、あるクライアントさんの会社でこんな企画をすることになりました。それは、社長は一切口出しをしてはいけないという企画。
新規物件の企画について、間取りから住宅設備、クロスの色にいたるまで、一言も社長は口を挟んではいけない、すべてスタッフに任せるという、かなりチャレンジングな企画です。
いつもは全て社長が取り仕切るこの会社。社長にとっては相当辛い企画だったと思うのですが、なんとか最後まで口出しすることはありませんでした。
出したのは、お金だけ。あとはすべてスタッフ任せという現場だったのですが、出来上がりは今までとは全く違うものになっていました。ひと言でいえば、小洒落た感じ。
今までの物件が、小洒落てないとは言いませんが(笑)、やはり中年男性が企画する物件とは一味違います。その上、今回は初めて家具も設置しました。
家具については、モデルハウス用にディスプレイするだけにするか、家具付きで販売するか、最後まで迷ったのですが、最終的には、家具もエアコンも付けて販売価格を上げて売ることにしました。
社長の出番は、ここから。
できあがった物件をどうやって販売するか、ということだけに専念したのです。
で、結果はどうだったかというと、見事、想定したお客様に想定した販売期間で完売。契約の時に、購入したお客様から大絶賛されたとおっしゃっていました。
まあ、売れたことは何よりですが、それ以上に今回は大きな収穫がありました。それは、社長がいなくても会社が機能するということがわかったことです。
もちろん、そんな会社になるように社員を育ててきた社長の努力もあるのですが、社員が育っていると言ってもなかなか全てを任すには勇気がいります。
しかし、今回は勇気を振り絞った結果、会社も次のステージに上がりました。新しい商品のラインナップがひとつ増えたのです。こうなると社長自身の時間が増えます。そして、大局的に会社を見ることができますから、会社はより成長できます。
もちろん、たった一度の成功ではまだまだ不安ですが、後は経験を重ねていけば、いずれうまくできるようになります。それまでは、じっと我慢。社長が口出ししないことが社員を育てる最善の方法ということです。久しぶりに、楽しい企画でした。
この記事へのコメントはありません。