建売業者さんをコンサルする上でいつもネックになること、それが、広告宣伝費です。とにかく、広告宣伝費を予算に計上していない会社が多い。自社販売している建売業者さんでもその額はわずか。販売は仲介業者に任せておけばいい。建売業者は仕入れがすべて、という考えが根本にあるからです。
実際、今までの建売業界はその考えでやってこれました。これは、経済が右肩上がりだったからできたこと。どんな不動産を購入してもインフレで資産価値が自然と上がる。そんな時代だったから成り立ったビジネスモデルです。
今は、そんなビジネスモデルでは通用しません。今は、年収が上がらない時代。不動産が有り余っている時代。これから毎年、人口も世帯数も減っていく時代です。つまり、今までのやり方を変えないと生き残れない時代です。
では、どうすれば生き残れるのか?
いい家をつくる、いい企画を考える、もちろんそれも重要ですが鍵になってくるのが広告。そしてそのための予算です。広告宣伝費が必要になる理由は簡単。あなたの物件を一人でも多くの人に知ってもらうため。お客様は知らなければ買えません。
多くの建売業者さんは、自社の物件は十分、市場で認知されていると思っています。これだけレインズやアットホームで情報を流しているのだから知らない人はいないと思っています。しかし、それは幻想。情報は知られているかもしれませんがちゃんと認識されているかどうかは別だからです。
その上、建売業界には未公開物件ほど価値があるという幻想もあります。情報は表に出してはいけない、晒しものにしては価値が落ちる、そんな迷信が未だに信じられています。
そもそもそんな話でお客様を落とすには、買う気のあるお客様がいないと話になりません。今、問題になっているのは、未公開物件で落とせるお客様自体がいないこと。営業テクニックを駆使できるお客様自体がいないことが問題なのです。
まずは、住宅の購入に興味のある人を集める。集客がポイントなのです。そのためには、広告力を高めること以外に方法はありません。この話、自社で直売はしていないから関係ないと思う業者さんも多いと思いますが、決してそうではありません。売主が仲介業者のために広告をつくったり、広告費を援助したりするのがこれから主流になるかもしれないからです。
仲介業者にあなたの会社の命運を託すより、あなた自身の運命は自分で決めた方が賢明。その方が安全です。広告宣伝費を捻出する上で、一番手っ取り早い方法は、仕入れのための交際費を減らすこと。その分を広告宣伝費に当てることです。
まあ、古いタイプの人からは反感を買うでしょうが、有効な手段であることは間違いありません。最近、景気のいい話が少なくなってきました。そろそろ広告についても真剣に考える時期かもしれませんよ。
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