共感の得られる家、共感の得られない家。

不動産会社経営

共感の得られる家、共感の得られない家。

以前「バンクルワセ」というテレビ番組がありました。
「バンクルワセ」は、そのジャンルを代表するプロフェッショナルと芸能人が、さまざまな分野で対決し番狂わせを目指すという人気バラエティー番組。

ある時、「30万円で居心地のいいお部屋に改造」対決というインテリアコーディネート対決が行われ、プロフェッショナル代表として、テレビチャンピオンなどで優勝経験のある江口惠津子氏(日本フリーランスインテリアコーディネーター協会会長)が登場、モデルの西内まりあさん、IVANさんと対決しました。

結果はというと、・・・・・バンクルワセ発生。プロのインテリアコーディネイターが20歳の素人に負けるという事態に。テレビ的には面白い展開になりました。

実際の作品はどうかというとプロの作品は、やはり「さすが」という作品。至るところに、プロらしい技が仕掛けられゴージャスな感じにまとめられていました。それに対して、20歳のモデルの作品は「素敵」という言葉がピッタリの作品。豪華さはそこそこに映画の世界から飛び出してきたようなおしゃれな雰囲気。20歳のモデルが自分が住んでみたい部屋をつくったというだけのことはあります。テレビを観ていた妻の採点でも20歳のモデルのつくった部屋の方に軍配があがりました。

では、なぜ百戦錬磨のプロが負けたのでしょうか?
私は、審査員を意識していなかったことが最大の原因だと思います。

審査員がどんな部屋を望むのかということではなく、自分の技、プロと素人の実力の違いを見せることに注力した結果、素敵な部屋だけど住んでみたいと思えなかった、審査員の共感が得られなかった、からだと思います。それに対して、20歳のモデルはひたすら自分の好きな部屋をつくることだけに注力。結果として、こんな部屋に住んでみたいという審査員の共感が得られたのだと思います。

これは、建売住宅にもよくあります。
いい家なんだけど、お金はかかっているんだけど、イマイチ共感が得られない家。売主やデザイナーの主張が強すぎてお客様の気持ちとかけ離れてしまった家です。時々、俺たちのセンスがわからない奴は買わなくていい、と言っているような家があります。

売れる建売住宅をつくる上で大切なことは、自分たちの主義主張を押し通すことではありません。お客様が何を望んでいるかを見極め、それを形にしていくことです。2歩も3歩も先を進んでもお客様はついてこれません。お客様がついてこれるのは、せいぜい半歩程度。ほんの少しだけ先を提案する。そんな家が売れる家になるのです。

あなたの家はひとりよがりの家になっていませんか?
謙虚になることの大切さをあらためて実感した番組でした。

 

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